今日は正午過ぎまで死んだように眠って、起きてから眠気と汗ばんだ身体をぬるいシャワーでさっと洗い流した。
シャワーを浴び終えてベランダで外の空気でも吸おうと思ったら、自分の家が突然消滅したことに戸惑うアシナガバチがきていたので、手を合わせながらグッと堪えて断念。
ベランダ前のソファに腰掛けて、ぬるい水道水飲みながらちょっと暗い内容の漫画の続きを読んでいたら、ほんのり曇った空模様も相まって気持ちが鬱々としてしまった。
正午過ぎまで眠れたこの上ない幸せを、ふとしたことで噛み締められなくなってしまう自分が嫌だなぁと、いつものことながら無駄に高すぎる感受性をじわじわと呪った。
曇っているとはいえ、外は気温が高い。
一歩たりとも外に出たくない気持ちを歪に溶かして、漫画もそこそこに、郵便局へ行くために家を出ることにした。
支度を済ませ、春に直した自転車に跨る。
郵便局までは約10分。
走り出してすぐ、公園の脇を通過。
「ん?」
何か花が咲いていたように見えて、ブレーキをかける。
自転車の向きを変えることもせず跨ったまま、車をバックさせる要領(?)で後ろ向きにその花が見えた場所へ戻った。
フェンスに朝顔が巻き付いていた。この子たちだけ。
朝顔…
え、朝顔だよね?朝顔ってこんな葉だったかな?
そもそもこの時点で午後2時過ぎ、朝顔も昼顔になってしまっている。いや、昼顔じゃあ某不倫ドラマみたいじゃん。ということは、この子たちはここでひっそりと逢瀬の最中?
とかなんとか勝手にストーリーを思い浮かべながら適当にパパラッチをキメて、また重たいペダルを漕ぎ出した。
最初こそ外へ出るのが億劫だったけど、ぬるい風を浴びながら田舎道を走ってみたら、なんだか気持ちよくなった。
思ったより暑くなかったのだ。
「なんて単純!」「こんなに単純な性格で良かった」と、さっきまでの高い感受性への呪いは完全に解けていた。
すっかり機嫌を直したわたしは、野暮用を終え、郵便局近くのカフェでスイーツプレートを注文するなどした。
田舎にもこんなプレートがあるなんて!感動。
鬱々とした気持ちを欠片も残さず、ひとつひとつの些細な出来事がしあわせに塗り替えてくれた。良い日ですね。
ひやむぎも買ったし、豆乳食べラーひやむぎしよ〜
「昼間に逢う彼女は猫背でした」